米国海洋大気庁(NOAA)の科学者が国連報告書に貢献
2009年5月20日付け
米国海洋大気庁(NOAA)の科学者たちが貢献した新しい国連報告書が発表されました。この報告書によると、過去25年間に大陸に隣接した64の大洋生態系のうち61箇所で海面温度が急上昇し、一部の地域では漁業の収穫量が減少している一方で、他の地域では増加していることが明らかになりました。
温暖化がもたらす変化と影響
温暖化により、ノルウェー海、フェロー諸島高原、アイスランド大陸棚などの北大西洋の一部の海洋生態系では、動物プランクトンの増加や重要な魚の増加により漁獲量が増加しています。一方、ヨーロッパの海洋生態系では漁獲量が減少していると報告されています。
一方で、北海、ケルト海ビスケー湾大陸棚、イベリア半島海岸などのヨーロッパの大海洋生態系では、漁獲が減少している傾向があります。これについては、国連環境プログラムの報告書「国連環境プログラム(UNEP)大海洋生態系報告書:世界地域の海岸での大海洋生態系の変化状況の見通し」で詳細に議論されています。
国際的な協力の必要性
NOAAのLME部門長であるケネス・シャーマン氏は、「ほとんどの海洋生態系は複数の国にまたがっており、持続可能な管理が必要です。海面温度の上昇に加えて、多くの海洋漁業が行われており、漁獲される場所を管理するために国際協力が不可欠です。」と述べました。
世界の海洋生態系の状況
報告書によると、世界の漁業資源の70%が過剰に利用されており、食料としての魚の入手が減少しています。特にアフリカ、アジア、ラテンアメリカなどの海岸での海洋生態系の状況が深刻です。また、が主要なプロテイン資源として重要でありながら、米国の内国漁業資源の約23%が乱獲されているという報告もあります。
2010年まで全国内資源の乱獲の削減を必要とする米国連邦法は、米国が持続可能なレベルに使い果たされた資源の再建への促進となります。
地球環境への影響
国連報告書によれば、窒素の過剰な排出が有害な青色藻の発生や海底の酸素欠乏を引き起こしています。これにより、魚類が生存に必要な酸素が奪われる可能性があります。
温暖化の影響が顕著な地域
報告書によると、北東大西洋や地中海、東アジア沖、北西大西洋などの一部の海域で海面温度の増加が特に顕著です。ただし、カリフォルニア州海流とフンボルト海流の海洋生態系はこの傾向とは逆であり、氷で覆われているため温暖化の影響が限定されています。
大海洋生態系の状況を改善するには時間がかかるかもしれませんが、集中的な取り組みと創造的な政策が必要です。国連の報告書は、これらの問題に対処するための方針を提供しています。
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